家族のような他人

スポンサードリンク

---

販売のお仕事を続けて15年になる。


寿命が仮に80歳とすると
ザックリ五分の一から六分の一の人生を捧げたことになる。



一日のうちでも、家族と居るより
職場の人との時間の方がはるかに長い。



だから人間関係が家族と同じくらい濃くなる。



もしかして家族にも見せた事がない顔を
見せたりする事もあるかもしれない。



一人ひとりの性格
クセやしぐさなど、全部お見通し。




お客様も同じで、15年も付き合っていただいていると
本当に家族のように感じることがある。



言ってしまえば利害関係が絡んだ
一販売員と一お客様なのに

人間って不思議・・・



ちょっとした声や顔つき、しぐさなど
いつもと違うと
「何かあったかな？」と
すぐに気付いてしまう。



もしかして家族より敏感に感じてしまうかもしれない。



例えば一人のお客様、
歳は70代で独り暮らしのおばあちゃん。



日々何を思って暮らしているか・・・。


娘さんは息子さんはどれだけ気付いているんだろ？
とふと思う。



おばあちゃんはいつも
体がとても冷えていて寒くて寒くて辛い。


どんなに着込んでも寒い。
どんなに天気が良くても体の芯から寒いのだ。



そして、むかし癌を発症したことがあって
その再発の恐怖に震えている。



そして、何をするにも億劫になっていて
自分の不甲斐無さに絶望している。

自分を責めている。



想像だが、娘さんや息子さんに会ったとき
こんな本音を漏らしているとは思えない。



きっと、「私は大丈夫！元気だよ！」
と言って笑っているに違いないと思う。



近いほうが遠くて
遠いほうが近い・・・



身近な人ほど変化に気付きにくい。
そんなモンかもしれないな。



家族のような他人が
自分の周りにいっぱい居れば
幸せかもしれない。


そんな他人になりたいな。

---

スポンサードリンク

タグ：人間